こんにちは、富永です。
「老後資金の準備には低金利なので、投資を活用しましょう」という話は、最近ではよく聞く話ですね。
金融庁も、その重要性から、つみたてNISAや、イデコなどをPRしています。
老後資金の考え方
みなさんは、老後資金の金額って、どのように考えていますか?
生活に必要な、お金がいくらで、年金がこのくらいもらえるのか、足りない金額がいくらか、などでしょうか。
今回は、その辺りの計算は割愛しますが、イメージとして運用益0%、つまり単純に取り崩していくことを考えられている方が、多いのではないでしょうか?
老後2000万円問題も話題になりましたが、「65歳まで、金利0%で貯めて、0%で取り崩す」ということを、イメージされるので、あんなに話題になったのではないか、と思います。
もちろん、将来の予想できない運用益を、見込むのは危険なので、運用益0%で計算していた方がいいのは、間違いありません。
資産取り崩しのための4%ルール
ただ、4%ルールという言葉を、耳にしたことがあるでしょうか?
どういうことなのか知っているだけで、老後を豊かに暮らすことができます。
4%ルールは別名トリニティスタディ、と言います。
老後資金の出口戦略とも言える、考え方なのです。
トリニティ・スタディとは?
なぜ、そう呼ばれるかというと、アメリカのトリニティ大学の教授3人が、発表した研究だからです。
内容は、「株式と債券をどれくらいの割合で、どのくらいずつ引き出せば、どれくらいお金がつきないか」というものです。
1926年〜1995年までの期間の、アメリカの歴史をもとに研究されています。
債券と株式を50:50の割合で投資したお金を、毎年4%ずつ引き出しても、30年後にも資産が残る確率が100%だったので「4%ルール」と呼ばれています。
やはり分散投資が、大切という事ですね。
その後、別の人によってリーマンショック後にもアップデートされ、1926年〜2017年までのデータになり、より最新のものになりましたが、結果4%ルールは変わりませんでした。
他にも別の方が、最長60年間までの期間で、検証していますが、概ね変わらない結果が出ています。
例えば、退職後に3000万円を金利0%で預金して、4%ずつ(120万円)引き出していくと、25年で確実に枯渇します。
60歳から取り崩していくと、85歳で必ず資産は、なくなるわけです。
しかし、4%ルールでは、30年後の資産の中央値は、なんと8倍になっています。最高値ではありませんよ。
当初の資金が、3000万円だとすると、2億8000万円になっている計算です。
4%ルールで取り崩して、反対に資産が増えているわけですね。
アメリカのデータであるため、日本に住んでいる私たちには為替の影響を受けたり、世界的な低金利で債券のリターンが、ほぼ見込めないなどが考えられます。
しかし、日本がアメリカほどインフレ率が高くないことを考えると、全くあてにならないとは言い切れません。
お金が足らなくなるのも嫌だけど、使わず残すのは…
平均余命が大幅に伸びた今、老後資金をどれくらい使ったら足らなくなるか、どれくらい使ったら残ってしまうのか考えてしまいませんか?
使いすぎて足らなくても困るし、節約してお金を残して楽しめない人生もなんか違う…
老後資金を同額や同率で、始めに決めた金額ずつ運用しながら使う。
4%ルールを参考にすれば、人生100年時代の自分に合う老後資金の使い方が、見つかるのではないでしょうか?
ちょっと難しい話になりましたが、
ちょっとだけ、考えてみてください。
4%じゃなくても運用していれば、ちょっと多めに取り崩しても資産の寿命は伸びますね。
4%以上の金額を取り崩すと
例えばですが、ある夫婦の年金額が毎月夫16万円、妻8万円の合計24万円だったとします。
この夫婦が毎月32万円あれば、ゆとりある生活ができると、考えているとしますね。
すると、8万円が足らない金額になります。
そこで老後資金に準備していた資金から、毎月8万円を取り崩していいきます。
年間96万円を取り崩すので、86歳で預金は底をつきてしまいますね。
ところが、上記の図のように3%で運用しながら、取り崩した場合どうでしょう。
なんと98歳まで伸びるんです。
もちろん、確実にこのようになることが、保障されているわけではありませんし、価格の下落時に取り崩すことで若干下振れします。
ただ、一般的に株式で運用した場合、4%〜7%のリターンが期待できると考えられますから、3%で運用というのは、考えられない数字ではありませんね。
このように運用というと、お金を増やす時にばかり考えがちですが使う時、
つまり運用の出口でも、とても大切な考えなんです。
そこまでしっかりとファイナンシャル・プランナーと相談できると、老後の計画もまた良いものになっていくかもしれませんね。
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