子どもの新たな門出に、家計の不安も高まる季節です。
卒業・入学準備が本格化し、制服代や入学金などまとまった出費に頭を悩ませる親御さんも多いでしょう。
実際、ある調査では「子どもの教育資金に不安を感じる」親が全体の7割以上にのぼり、中高生の親に限れば約85%にも達しています。
老後も視野に入れる40〜50代の親世代にとって、教育費の負担は大きなプレッシャーです。
しかし一方で、入学準備は家計を見直す絶好のチャンスでもあります。
不安をきっかけに家計管理を整えれば、教育費だけでなく将来の資産形成にもつながるので、賢い教育費準備のポイントを押さえていきましょう。
教育費で家計が苦しくなるのは「入学後の毎月の支出」
入学時には制服代や入学金など多額の一時金が必要になります。
特に私立高校では年間の学習費が約100万円かかるところが多く、入学直後には制服や教材の購入で一時的に出費が膨らみがちです。
それだけでも大変ですが、実は家計を長く圧迫するのは“入学後”に続く毎月の教育費です。
例えば高校入学後は塾代や部活動費が一気に増え、大学進学時には入学金・授業料に加え仕送りなど複数の負担が同時に押し寄せます。
大学4年間に必要な総費用は約600万〜900万円にもなり、高校までとは桁違いです。
こうした教育費のピークに、住宅のリフォームや親の介護など他の出費が重なるケースも珍しくありません。
実際、子どもの大学在学中は家計が赤字に転落しやすいとも言われます。
「入学さえ乗り切れば安心」ではなく、入学後の継続的な支出こそ見据えておく必要があるのです。
今からでもできる教育費の備え方
いつ・いくら必要かを予測して見える化
まずは、これからかかる教育費を具体的に洗い出し、時間軸で把握することから始めましょう。
お子さんが小さいうちでも、高校・大学入学まであと何年で、各段階でいくら必要になりそうか、おおまかな目標額と期限を設定します。
大切なのは「◯年後までに◯万円」と家族で目標を共有することです。
いつまでに何のために貯めるのか可視化すれば、漠然とした不安が具体的なプランに変わります。
例えば「10年後の大学入学までに入学金・初年度授業料として○万円用意しよう」と決め、月々必要な貯蓄額を逆算してみましょう。
計画が見えると「今はここまで来た」と実感でき、モチベーション維持にもつながります。
教育費を分散して備える工夫
必要な金額がわかったら、一度に用意する負担をできるだけ分散させる工夫をしましょう。
例えば、児童手当は高校卒業まで支給されますが、これを教育資金に先取り貯蓄しておけば無理なく積み立てができます。
学資保険や預金でコツコツ貯めるだけでなく、NISAを利用した積立投資等で長期の積立投資を活用する手もあります。
お子さんの成長は待ってくれません。教育資金の準備期間はせいぜい子どもが生まれてから15〜18年程度で、住宅資金(ローン返済30年超)や老後資金準備(現役約40年)に比べると格段に短いです。
時間を味方につける意識を持つだけで、計画的に積み立てを進めることができます。
家計の地ならし(収支の見直しと調整)
教育費を捻出するには、家計全体を俯瞰して無理のない範囲を見極めることも重要です。
教育費だけに注目していると、いざ支払いの年になって「他の出費と重なって足りない!」と慌てる危険があります。
そうならないよう、毎年の収入・支出・貯蓄・ローン返済・臨時出費を一覧にして、月単位・年単位の収支を把握しましょう。
家計全体を見渡して初めて「教育費に毎月いくら回せるか」「逆に回しすぎていないか」が見えてきます。
例えば高校入学前までに車の買い替えを済ませておく、大学入学が近づいたら旅行や大型出費を控えるなど、ライフイベントのタイミングを調整できるものは調整します。
さらに余裕資金があれば緊急予備費や老後資金にも振り分け、教育費以外の将来不安も同時に備えておくと安心です。
教育費準備をきっかけに、家計全体のムダ見直しや支出の優先順位を話し合うのも良いでしょう。
知っておきたい支援制度とポイント
教育費負担を軽減する公的制度や奨学金は積極的に活用しましょう。
以下に、知っておくべき主な支援策をまとめます。
高等学校等就学支援金(いわゆる高校授業料無償化)
高校の授業料を国が補助してくれる制度です。
公立高校なら実質無償、私立高校でも世帯年収目安910万円未満なら支給対象となります。支給額は所得に応じて変わり、年収約590万円未満なら私立高校で年間最大39万6,000円(公立相当の授業料を超える部分まで)、年収590万〜910万円程度なら年間11万8,800円が支給されます。
この制度により、多くの家庭で高校授業料の負担が大幅に減っています。ただし入学金や教材費は対象外なので注意しましょう。
高校生等奨学給付金
こちらは高校生を持つ低所得世帯向けの返済不要の給付金です。
授業料以外の教育費(教科書代・制服代・修学旅行費など)を補助する制度で、住民税非課税世帯や生活保護世帯が対象です。支給額は自治体にもよりますが、例えば国の基準では全日制高校生1人当たり年額最大152,000円(私立・非課税世帯の場合)とされています。「授業料はタダになったけど制服代が出せない」という不安に応える制度であり、授業料無償化とあわせて利用することで入学時の出費負担がかなり和らぎます。
大学など高等教育の修学支援新制度(いわゆる大学無償化制度)
2020年に始まった、低所得世帯の大学生等を対象とした国の支援制度です。
返済不要の給付型奨学金と授業料・入学金の減免の2本立てで、大学・短大・専門学校の学費負担を大幅に軽減します。目安として住民税非課税世帯(年収270万円程度以下)なら授業料が原則全額免除され、さらに毎月給付型奨学金(自宅通学の大学生で月額約3〜4万円、自宅外なら約7〜8万円)が支給されます。
これにより「大学は高くて無理かも」と進学を諦める必要がないよう、国をあげて支援が強化されています。
進学先がこの制度の対象校かどうかは事前に各学校や文部科学省の公表資料で確認できます。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
高校卒業後の進学者の多くが利用する奨学金制度です。
奨学金には返済が必要な貸与型(利息のない第一種・年利上限3%の第二種)と、前述のように返済不要の給付型があります。どちらも授業料だけでなく生活費や教材費にも充当可能で、特に貸与型奨学金は大学在学中の生活を支える柱となっています。実際、大学生の約55%が何らかの奨学金を利用しており、その9割以上はJASSOの奨学金だと報告されています。利子のない第一種奨学金も多く、教育費を将来に分散できる有力な手段と言えます。「子どもに借金を背負わせたくない」と悩む親御さんもいますが、無理に貯蓄を取り崩して老後資金まで減らしてしまうよりは、奨学金や支援制度を上手に活用する方が結果的に親子双方にとって負担が軽くなる場合もあります。
そのほかの支援策
上記以外にも、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」(大学等1人につき上限350万円を低金利で融資)など、教育費工面に役立つ公的ローンがあります。
自治体独自の奨学金や企業・民間団体の給付奨学金も多数ありますので、進学先やお住まいの自治体の情報をチェックしてみてください。私立高校や大学でも独自の奨学金制度(成績優秀者向けや家計急変時の支援など)を用意していることがあります。
「もらえるもの・借りられるものは最大限活用する」のが賢い家計防衛策です。
教育費と老後資金をどう両立するか?
教育費の準備と老後資金の積み立て、両方大事なのはわかっているけれど「どちらを優先すべきか…」と悩む声は多いです。
限られたお金を前に、目の前の子どものために使うべきか、自分たちの老後のために残すべきか――親心としても葛藤がありますよね。
結論から言えば、「老後資金をある程度確保しつつ、教育費は足りない分を制度で補う」のが現実的な両立策です。
その理由は、教育費には奨学金や助成金など外部支援を活用できるのに対し、老後資金は自分で準備しなければ誰も助けてくれないからです。
極端な話、教育費が不足した場合は奨学金や教育ローンで一時的にしのげますが、老後資金が足りなくなると最悪生活保護に頼ったり、お子さんに経済的負担をかけたりするリスクがあります。
子どもの将来のためにも、親の老後が困窮しないようにしておくことが結果的に「子どもを守る」ことにつながります。
とはいえ、「老後のために教育費は出しません」では本末転倒です。現実には教育費もできる限り出してあげたいでしょう。そこで大切なのがバランスと優先順位の見極めです。
まず、一般的に夫婦2人でゆとりある老後生活には2,000万〜3,000万円が目安とも言われます(生活水準によって前後します)。
退職金や年金見込み額も踏まえ、不足しそうな分は毎月コツコツと現役のうちに積み立てていきます。
次に教育費ですが、前述のように公的支援策や奨学金があります。大学費用が重くのしかかる時期こそ、奨学金や教育ローンの活用で家計の負担を軽減すべきです。
例えば「子どもの大学の学費は奨学金で対応し、親は仕送りのみ負担する」「自宅通学できる大学を選んで生活費負担を抑える」など、家計に無理のない範囲でどこまで負担するか家族で話し合っておくと良いでしょう。
ポイントは、教育費も老後資金もどちらか一方に偏らない計画を立てることです。
老後資金は代替手段が少ない分、早め早めに準備を始める。
一方で教育資金は奨学金や補助制度を上手に活用し、効率よく賄う。
このメリハリを意識すれば、きっと両立の道筋が見えてきます。
親世代が自分たちの将来への備えも万全にしつつ、子どもの夢も応援してあげられれば理想的ですね。
まとめ│教育費準備は「家計の転機」にもなる
お子さんの入学を控え、「うちは大丈夫かな…」と感じる不安は決して特別なものではありません。
むしろ、その不安に向き合い行動を起こすことで、家計を強くするチャンスが巡ってきたとも言えます。教育費の準備は家計管理を見直す転機です。
心構えとして覚えておきたいのは「ひとりで抱え込まない」ことです。
家計の悩みは夫婦や家族で共有し、支援制度の情報も学校や自治体、ファイナンシャルプランナー等に相談しながら集めてみましょう。
必要なら専門家の力を借りるのも賢明です。
「備えあれば憂いなし」。入学という節目が、家計を見直す良いきっかけとなり、将来の安心につながるよう、一緒に乗り越えていきましょう。
株式会社LongLife
富永 裕文
佐賀県武雄市武雄町大字永島15449-6
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